蛍火と白狐




家に着き、若干緊張しながらリビングへ向かう。



「……あれ」



でもリビングには、誰もいなかった。いつもならお母さんが必ずいて、優しい笑顔で「おかえり」って言ってくれるのに。



「人の気配がしません。出かけているのでしょうか」



「お母さん、この時間はいつも家にいるよ。外出するとしても、もっと早い時間に行くはずだし。それに、町内の集まりとか買い物も、基本的にお父さんがやってるから、お母さんは滅多に外に出ないの」



「散歩とかはないんですか?」



「あるかもしれない、けど……」



私は不安になって携帯を開く。



「着信履歴が六通、メールが一通……」



「お父さんからですね」



嫌な予感がする。私は急いでメールを開いた。