「弥緒ちゃんは霊獣だから、基本食べ物は木の実よ。フルーツでいいと思うわ」
「お母さん、弥緒の正体わかるの?」
「うふふ、前にとある文献で読んだのよ、霊獣のことをね」
気になる、その文献。
でも、フルーツでいいんだ。じゃあスーパーで苺買って帰ろう。
弥緒は私の肩に飛び乗ると、頬っぺをすりすりとしてきた。
「ふふ、くすぐったいよ弥緒」
「何だ、和名がほしかったわけじゃなくて、蛍に名付けられたかっただけなのね」
そうだとしたら、嬉しいなぁ。
「あら、もう五時なの。蛍ちゃん、時間は大丈夫?」
「あ……。そろそろ帰らないと」
「そうなの?また遊びにきてね」
「うん」


