蛍火と白狐




次の日の昼休み、私は翠くんから結界の張り片を教えてもらっていた。



「いいか、結界ってのは霊力の壁をただ四方に固めたものだ。まず霊力で一つの壁をここに作ってみろ」



「ど、どうやって……」



「イメージが大事なんだ。霊力を放出して、それを固める」



霊力を放出、固める……。



「固めるって具体的にどうするの?」



「あー、なんつーか、こう、ギュッと?」



擬音語を使った曖昧な説明。多分、感覚が大事なんだろうな。感覚とイメージが。



「あんたの説明わかりにくいのよ」



「うっせぇな。どう説明すればいいのかわかんねぇんだよ」



「全くこれだからあんたは……」



「何だと!?」



「あ、出来た……?」



「早っ!」



目の前に薄い橙色の壁が出来た。好奇心でちょっと触ってみると、少しでこぼこで、軽く叩けばひびが入った。



「脆くて歪ですね」



「うぅ……」



「まあ、最初はこんなもんだろ。あんな適当な説明で出来たんだから上出来だな」



「さっすが蛍ね!」