蛍火と白狐




私はもう一度触れてみる。何だろう、何か、身体の奥底から引っ張られてる感じ。



「あんまりやると、霊力の過剰放出で倒れるから気を付けてね」



「わかった」



私は一旦手を離す。うん、何となくこうだっていう感じは掴めた。



「何か掴めた?」



「何となくだけど……」



「じゃあ、今度はこの水晶玉に手を触れて、霊力を放出してみて」



私は水晶玉に手を当て、さっきの感覚を思い出す。



「……あ!」



ほのかが声を上げた時、水晶玉がほんのりと橙色に染まった。



「霊力の放出を出来たんだわっ。流石蛍ね」



「霊力って橙色なの?」



「ううん、霊力の色は人それぞれよ。例えば私なんかはほら、青よ」



ほのかが水晶玉に手を当てると、たちまち深い空や海のような澄んだ青色になった。



「僕は何色でしょう」



今度は言葉が触れる。水晶玉は綺麗な強い銀色に染まった。



「銀色は初めて見たわ。ふん、神様(仮)なだけあるのね」



「(仮)ではなく、本物の神様ですから」



二人の間に火花が散り始める。あぁ、また始まった……。