蛍火と白狐




「さて、君達はどういった理由で授業を抜けてきたんですか?」



「蛍とコイツが保健室で、私が付き添い」



「わかりました。じゃあそのように彼らの記憶を変えておきます」



「なぁ、お前って何でも出来んの?記憶操作に結界に戦闘に修復に」



「そういえば治癒能力もすごかったわ」



神様なんだもんね。おかしくはないけど、皆が皆そんな力を持ってたら、混乱したりするんじゃないのかな。



「僕だって出来ないことなんか沢山あるんですよ。神様としてもまだまだ未熟ですし」



「ふぅん。ま、どうでもいいけど」



「私も戦力になれるように、頑張らないといけないわね」



……私は。



私は、どうすれば皆の足を引っ張らずに済むだろう。私だって力になりたいのに。



ぽふっと、何かが頭の上に乗った。そして、ゆっくりと撫でられる感覚。



「……言葉」



「君は弥緒のことを、しっかり育ててくれればそれでいいんですよ」



「……でも」



「無理しなくていいんです。君は君の出来ることだけをやって下さい」



「……うん」



私の、出来ること。それは一体何だろう。私は何が出来るだろう。