蛍火と白狐




「ねぇ、あのデカイ化け物は何なの?」



顔を青白くさせたほのかが言葉に尋ねた。どうしたんだろう、具合悪いのかな。



「あんな、絵に描いたような黒い鬼はっ!」



「あぁ?黒い鬼だぁ?」



あの大きなシルエットは、黒い鬼だったの?どうしてそんなものが……。



……鬼神の手下、とか?



「あぁ、君はあれを見てしまったんですね。あれは鬼神の使い魔で、雑魚ですよ」



「雑魚!?あれがぁ!?」



「見た目は強そうでも、馬鹿力で物を破壊するくらいしか能のない雑魚です」



「つまりはあんたが規格外なのね。うぅ、でも、これくらいでガタガタ言ってたら駄目だわっ」



「ところで、あの霊狐は何しに行ったんだ?」



「弥緒は経験値を積みに行きました。これからの戦いに備え、簡単にやられてしまわないように」



「成る程な」



弥緒って、しっかりしてる。私みたいな親、必要なかったんじゃないかな。