蛍火と白狐




「何かしら、それ」



私が両手で持つと、卵はピシピシと音をたてて割れ始めた。



「わ、わ、生まれるっ!?」



次の瞬間、卵は完全に割れ、中から小さな白い狐が生まれた。



……狐って、卵から生まれるんだったっけ?



それにしても、綺麗な狐。真っ白で、瞳が青くて、尻尾が三本もある。



その円らな青い瞳が、真っ直ぐ私を見ていた。か、可愛いっ……!!



「可愛いーっ。ね、ね、名前決めましょうよ」



「名前……」



「君は男の子ね。私の目に狂いはないわっ。そうね、レオナルドがいいわ」



だけど狐は、つーんとそっぽを向く。お気に召さないらしい。