蛍火と白狐




「問題は、私達にそれだけの力があるかどうかね。一体誰が張ったのかしら」



「多分あいつだろ。何してんだか知らねぇけど、俺達にはこの境界線を越えることは出来ない」



私達が落胆していると、弥緒が私の制服の中から出て、まるで『行こう』と促すかのように私の足を押した。



「わ、わっ」



弥緒にグイグイ押されて、私はどんどん進む。どうせ戻るんだろうなとか思ってると、急に周りの雰囲気が変わった。



遠くの方から何やら激しい音がするし、地響きもする。



もしかして私、内側に入った?



バッと振り向くと、ほのかと翠くんの姿が消えていた。弥緒の姿もない。



「え、どうすれば……」



「蛍無事!?」



突然ほのかが現れた。どうやら越えてきたみたい。



「大丈夫だよ」



遅れて翠くんも現れた。



「まさかこの霊狐が境界線を……?代々鬼神を封印してきたっつー霊狐だもんな。出来てもおかしくないか」



「とりあえず、騒ぎの中心に行きましょ」



私達は走り出す。



言葉、そこにいるの?