裏山の中腹に降り立つと、裏山は異様なくらい静けさに満ちていた。
「何か不気味ね……」
「境界線が張ってある」
「境界線?」
首を傾げて翠くんに聞くと、翠くんは少し進んで、また戻ってきた。
「あんた一体何がしたいわけ?」
「確かめただけだ。お前も進んでみろよ。そしたら解るからよ」
ほのかは渋々進んで、翠くんと同じくらいの場所に行ってから戻ってきた。
「あらっ?何で私戻ってきてるの?」
「え?」
「そう、それが境界線だ。一種の結界で、空間と空間を隔て、完全に異なる場所を作る結界。
これを張った術者と同等以上の力がないと、この中には入れないんだ。中も同じで、弱い奴は出られない。
備考としてこの結界は、境界線より内側の景色は、外側からは変わらない。どれだけ内側で騒ごうと、何も映らないし聞こえもしない」
「つまり、外側にいる私達にはいつも通りの裏山に見えても、中は実際には違うかもしれないってことかしら」
「その通りだ」


