蛍火と白狐




「それで、弥緒はどこへ行きたいのかしら」



弥緒はフェンスの上に立ち、きゅうきゅう鳴きながら、片方の前足をある方向に向けていた。



「多分あの裏山だ。あそこから、注意しねぇとわかんねぇくらい微かに妙な違和感を感じるし」



「わかったわ。蛍、手を繋ぎましょ」



「えっ?う、うん」



私とほのかが手を繋いだ瞬間、私達の周りに風が巻き起こった。



「わ、わっ!」



ふわりと、私達の身体が宙に浮く。弥緒が慌てた感じで私の制服の中に滑り込んできた。



「おいこら!どうやって動けばいいんだ!?」



「うっさいわね、私が風を操って裏山まで飛ぶから、あんたは黙って身を任せてればいいのよ」



「あぁそうかよ!」



「行くわよ!」



ほのかかそう言った次の瞬間、私達は町の上を滑るように飛んでいた。



す、すごい!!



ちょっと風が寒し怖いけど、ほのかが隣にいるから楽しい。



そして、裏山まであっという間だった。