「思ったんだけどよ」
昼休み、学校の屋上。お弁当を食べながら、猫を被るのを放棄した翠くんが口を開いた。
「あんた、狐の神様なんだろ?」
翠くんが言葉に向かって問う。
「ちょっと待ちなさい」
ほのかが唖然とした表情で会話を止めた。そっか、ほのかにはまだ説明してなかった。
「まず、あんたいきなりキャラ変わってない?」
「あぁ、俺?つっても、こっちが本当の俺だし。今までのは演技」
「何で演技なんか」
「別に。目立たないようにしてただけだし」
「じゃあ、何でこいつが神様だって知ってんの!?」
「色々あんだよ。めんどくせぇから、細かい説明はお前らに任せた。
あ、その前に。お前、狐の神様なんだよな?」
「そうですけど」
「狐の神様って、商売の神様なんじゃねぇのか?何で健康の神様なんだよ」
そうなの?初めて知った。