蛍火と白狐




「ふふっ。出来ればさん無しがいいけど、それは次回に引き延ばしてあげる」



うぅっ……。



「あ、着いたわ。お母さーん、てか誰かいるー?」



ほのかさんが叫ぶと、パタパタと足音が近付いてきた。



「まぁ、どうしたのほのか。そんなに濡れて。その子は?お友達?」



すごく綺麗な女性が来た。ほのかさんのお母さん、かなぁ。



「うん、友達。彼女、安寧の泉に落ちて、ご神木の方から帰ってきたのよ」



ほのかさんがそう説明した途端、お母さんの顔がキラキラと輝いた。



え、何?



「まぁ、すごいわっ!さぁさぁ上がりなさいな。ほのかはそこで待ってなさい。タオル持ってくるから」



私は雪白家に上がり、案内された部屋で大人しく待つ。