蛍火と白狐




彼は私達から目を逸らし、言葉の方を見た。にやにやと笑う、怪しげな口元。



「言葉、変な言葉。おかしな言葉。どうして君にはあんまり効かないのかな」



「……」



「ボクの呪い、どうして少ししか効いてないの?変なの」



「ちょい待てやっ。お前、言葉に呪いかけたんか!?」



彼の言葉に鏡華ちゃんは素早く反応し、対する彼は一層にやにやと嫌な笑いを浮かべた。



「全然効いてないけどね。今かかってる呪いは、最高の呪い一つだけ」



「最高の、呪い?」



「うん。






『二十歳の終わりに死ぬ』呪い」






―――え?



ちょっと待って、今何て……?



二十歳の終わりに、死ぬとか何とか……。言葉は今二十歳なんだよね?



もう、時間がない……?



「……っ!」



世界が暗転していく。言葉が死ぬ。言葉が死んでしまう。



そんなの嫌だっ!!