蛍火と白狐




「というわけなので、このことを全王に伝えて下さい」



「任しときぃ」



鏡華ちゃんはレモンティーを雑巾で拭きながら答えた。



「……」



言葉が無言で扉を見つめる。



「……何やら騒がしいですね」



「鏡華様!!」



さっきとは別のメイドさんが、慌ただしく部屋に飛び込んできた。



メイドさんの顔には、確かな焦りと恐怖が滲んでる。



「何や」



「そ、それがっ、涼香様が」



すずか様……?



「あいつがどうしたっ」



「この城に乗りゴバッ!!」



メイドさんが突然、横に吹っ飛んだ。壁にぶち当たり、口から血が迸る。



―――……ぁ、あ。



心臓がドクドクと音をたてる。



嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。



「―――やぁ、久しぶりだね」



「……っ、涼香……」



言葉はメイドさんに駆け寄り、傷を治した。あぁ、良かった。