蛍火と白狐




「……あいつが、城を出た」



「!」



隣に座る言葉が眉を寄せ、身体を強張らせた。あいつって誰だろう?



……鬼神?



「……あの狂者が……。またろくでもない"作品"でも作るんですかね」



「さぁな。そーゆうわけやから、蛍の監視はしっかりしとけよ」



「言われなくても分かってます」



話の内容がよく掴めなかった。でも何となく、鬼神のことじゃないと思う。



「……けど、逆にチャンスかもしれませんね」



「余計なことせんたってええやろ。首突っ込むだけ無駄や」



「……それも、そうですね」



言葉はニコッと笑って頷いた。



「それで、こちらの用件なのですが。実は先程、鬼神が動きました」



「ついにか」



「えぇ。それと、淵川の一族が仲間になりました。これで、鬼神を永久に封筒できます」



「ぶぁはっ!!何やて!?あいつらが!?」



鏡華ちゃんは飲んでいたレモンティーを吹き出し、大仰に驚いた。



「……鏡華、汚い」



「あぁ、すまん。ちょいとオーバーやった」