「すみません、孤の国の言葉ですけど、鏡華までお通し願います」
……狐の国って、何かな。多分、言葉の国のことなんだろうけど。
「かしこまりました」
衛兵さんは門を開き、私達を通した。王様の権力ってすごいなぁ。
で、誰のお城だろう?
メイドさんが案内した先には、研究室、と書かれた扉。
「私が案内出来るのはここまででございます」
「……研究中、ですか」
心なしか、言葉はげんなりとした表情を見せた。博士の知り合い、かな?
「しかし、背に腹は替えられません」
言葉は何かを決意した様子で扉をノックした。返事はなかったけど、言葉は構わず扉を開ける。
「あ」
あの時の、深緑の女の子だ。確か、鏡華ちゃん、だったような……。
「……きょ、鏡華」
そう呼ぶ言葉の声が、僅かに震えてる。どうしたんだろう。
女の子は言葉に気付いてないみたい。
「……鏡華!」
ぴくっと、女の子の肩が揺れた。良かった、気付いたみたい。


