指切りをして、私は言葉の元に戻る。言葉は手を繋……がず、私をそっと抱きしめた。
「!!?」
ほのかが奇声を上げた。
「では、行きますね」
言葉は重心を前方にずらす。ぐらり、と世界が横転した。
泉の中に落ちて、その冷たさに少し震える。そして、あの日と同じ光に包まれ、私はまたぎゅっと瞼を閉じた。
「……蛍、もう大丈夫ですよ」
言葉の声で、そろそろと目を開ければ、いつか来たあの森にいた。
あぁ、少しだけ、懐かしい。
「きゅぅ……」
耳元で、弥緒が小さく鳴く。懐かしそうに目を細め、尻尾はパタパタと揺れ動いていた。
やっぱり、弥緒の故郷なんだね、ここは。
「さて、少し急ぎましょう」
言葉はひょいと私を抱き上げ、走り出した。私本当に足手まとい。
しばらくすると、見たことのない立派な建物の前で止まった。
どこだろう、ここ。


