蛍火と白狐




私は周りを見渡した。ここ、翠くんの家かな。すごく立派なお屋敷……。



「それより、今の一体何だったんだよ!?」



そうだ。今の黒い靄や、言葉の光は一体何だったんだろう。



あの靄は、何かとても嫌な感じがした……。



「君も薄々気付いているんじゃないですか?今のは、君の尊敬する、鬼神の仕業ですよ」



「……っ、何で、」



「愚問ですね、答えなんて明白でしょう。自らの力を高めるためですよ。

己と同系の力を持つ彼らの力を奪い、自身の力を蓄えるために。そして自分の配下にでも置こうとしたんじゃないんですか」



翠くんは黙って項垂れる。だからその表情は分からないけど、握られた拳は小さく震えていた。



きっと悔しいに決まってる。きっと哀しいに決まってる。そしてきっと、自分に怒ってる。



「じゃああの光は、お前がやったのか」



「えぇ」



翠くんは強く拳を固めると、バッと深く頭を下げた。



「「え!?」」



「……有り難う」



「「えぇ!?」」



まさか翠くんが言葉にお礼を言うなんて思わなくて、目を見開いて翠くんを見る。