「何っ、これ……」
その屋敷内は、全体が黒い靄のようなもので覆われていた。
そこら中から聞こえる悲鳴と、狂ったように走る人々。
「こ、言葉っ」
「大丈夫です。今からこの靄を返します」
言葉がそう言い終わると同時に、言葉が淡い銀色に包まれた。屋敷内にも同じ光の粒が拡散している。
綺麗……。
言葉を見上げてみると、言葉は目を瞑って……。
……言葉の頭、何か付いてる。白くて、犬耳っぽいような……。
「!」
言葉にまとわりついてた光が弾けた。次の瞬間、屋敷内の靄と光が一定の場所へ、凄いスピードで流れていく。
やがて全部なくなると、言葉はふわっと跳躍し、とある池の前に降り立った。
周りの人々が倒れている中、一人ぽつんと佇む少年。
あれは、翠くん?
ちらっと言葉を見ると、頭には何も付いていなかった。気のせい、だったかなぁ。


