「はっ!!」
俺は札を飛ばして結界を張った。……な、何だよこの靄、靄のくせに力強ぉっ!!
内側から押して、長く保ちそうにねぇ!しかも皆まで外側から結界を破ろうとしてやがる。
くそ、俺はどうすればいいんだ!?誰一人守れずに、こんなっ……!
そんなの、
「そんなのは嫌だっ!!!」
―――刹那、地面から淡い銀色の光の粒が沢山浮かび上がった。
「!!!?」
その光が黒い靄と共に、ものすごい勢いで大量に吸い込まれていく。
光と闇の渦に飲み込まれ、思わず目を閉じた。結界が破れていることなんか念頭になかった。
やがて禍々しい気配が消え、目を開ければ、あの黒い靄も光もキレイさっぱり消えている。
周りを見れば、皆は気を失って倒れていた。
何が、起きたんだ?
「ふぅ……」
後ろから、安堵したようなため息が聞こえた。い、今の声っ!?
バッと振り向くと、腹立つくらい綺麗な白髪をしたアイツが、何故か町野を抱き上げながら立っていた。
「お前っ……!」
「こんにちは。危ないところでしたね」
「この、セクハラ狐っ!!」
「……はい?えぇっ!?」
セクハラと言われて動揺したように口を開けたアイツを見て、ちょっと愉快になったのは内緒だ。
―――翠side、了


