蛍火と白狐




「ぅあ、がああっ!!」



義父さんは尚も苦しそうに藻掻き、急に踵を返し、叫びながらどこかへ走って行った。



「じ、爺ちゃんはっ」



慌てて部屋に戻ると、爺ちゃんは結界を張っていた。



「翠や、お前、狐の加護を受けとるじゃないか」



爺ちゃんは俺を見るなりそう言った。



「は?」



狐の加護?だから俺は平気なのか?てか、それ何だよ!?



ええい、細かいことは後だ後!今はこの黒い靄をなんとかしねぇとっ。



「翠や」



「はっ?何!?」



「お前は今、術なしで動ける。ワシのことはいいから、皆の動きを追ってこの邪気を根源から祓ってくるのじゃ!」



「わ、わかった!」



俺は部屋を飛び出して、皆が向かう方向にひたすら走る。



やがて、ドス黒い邪気を発する池に着いた。あれはうちの神社が誇る、篠竹の池!



そして、あちら側へ通じる入り口っ!



皆は迷わずその池に飛び込んでいく。意味わかんねぇよ畜生!!



とりあえず、この池を結界で囲もうっ。