蛍火と白狐




「翠や、ちょっと中に座りなさい」



「あ、あぁ」



俺と爺ちゃんはお互い向き合って座った。何だ何だ、説教か?俺何もしてねぇけど。



「ワシらが守っとるもんは何じゃ?」



「人の世の安寧、だろ?」



「うむ。では鬼神を祀るそのわけは」



「鬼神がそれを守る神だからだ」



「うむ、うむうむ。これらの答えは決して間違っとはおらん。

じゃがな翠、ワシらは本当に正しいのじゃろうか?鬼神とは誠に、正義と言えるじゃろうか?」



「いきなり何言ってんだよ、爺ちゃん」



爺ちゃんは顎髭をいじる。何か物事を考える時にする、爺ちゃんのクセだ。



「人も世も、忙しなく移ろうものじゃ。いつまでも縛られたままでは、守りたいものですら守れなくなってしまう」



爺ちゃんが何を言いたいのかわからない。



「いいかい翠、迷う暇はない。真実を見つめるのじゃ。お前が本当に守りたいものを守りなさい」



「……」



爺ちゃん、頼むから核心を明らかにしてくれ。さっぱりわかんねぇ。