蛍火と白狐




「ただいま」



部屋へ行かずにリビングに顔を出すと、お母さんがニコニコと振り返ってきた。



あ、いつもより顔色がいい。



「おかえり、蛍。学校はどうなの?もう慣れたかしら」



「うん、楽しいよ」



「そう。お友達は増えたのかしら」



「うん、中学よりも多いかな」



「良かったわ〜。言葉くんもいることだし、安心ね」



「うん」



私はリビングを後にして、部屋へ。鞄を開ければ、待ってましたという風に弥緒が飛び出した。



最近出番なくてごめんね。



「弥緒、大きくなったね」



手のひらサイズから一回り大きくなってる。手からはみ出してるもん。



「……あと二〜四週間か」



長いようで短い、短いようで長い。



「頑張ろ、弥緒」



「きゅ」