蛍火と白狐




―――放課後






「蛍ごめんね、神社の仕事忙しくて一緒に帰れないの」



ほのかが手を合わせて謝ってきた。



「そっか、じゃあ仕方ないね。来週また一緒に帰ろう?」



「うん、ごめんね、じゃあまた月曜日に会いましょう。バイバイっ」



ほのかは足早に教室を出ていく。ほのか、偉いなぁ。神社のお手伝いかぁ。



「何、あいつ神社の娘なの?」



翠くんがこそっと私に聞いてきた。そっか、翠くんは知らないんだ。



「そうだよ。健康の神様だって」



そういえばどんな神様なんだろう、健康の神様って。



「健康〜?ご利益あんのかよ、嘘くせぇ」



「失礼ですね、ちゃんと仕事はしてますよ」



「あーそーかいそーかい。……あ?待て、今の物言いだと、健康の神様って……」



「あ、僕らです」