蛍火と白狐




「そもそも、あんた何で一緒にお昼食べてんのよ?」



「僕は一緒に食べる気なんかなかったんだけどね……。町野さんがしつこく誘ってくるから」



翠くんはあからさま面倒くさそうに私を横目で見た。冷たい視線が突き刺さる。



うぅ、すみません……。



「ちょっと何なの!?その、蛍が悪いんだぜ〜みたいな物言い!」



「別に悪いとは言ってないだろ。面倒くさいと思っただけだ」



「蛍の厚意を一体何だと思ってるのかしらね!ねぇ蛍、何でこんな奴誘ったの?」



ほのかはぷぅっと頬を膨らまして、お箸で翠くんを差す。余程不満らしい。



うぅ、ごめんなさい……。



「な、仲良くなりたいなって、思って……。ごめんね、二人共迷惑だったよね……」



私って、つくづく駄目な人間だなぁ。