蛍火と白狐




「愛人ではありません。そもそも、僕と君は別に何もないでしょう。双子なんですから。

それに、あの日の誓いって何です?どの日?僕は、誓った覚えなんてこれっぽちもないんですがね」



そろそろ限界。今度こそ本当に死ぬ。重くて苦しい。重苦しい?



「あぁ、すみません。ほら、彼女が死んでしまいますよ」



「死ねばいいのよ、言葉くんに気安く触れて。その子人間でしょ?私、人間てだいきらい!」



「良くありません。泉が封鎖されて、埋め立てられたらどうするんですか」



「あ、それは困る」



「はい、じゃあ降りましょうね」



「うん」



重みが消えて、呼吸が楽になった。あぁ、もう嫌だ……。