蛍火と白狐




「くそ……。今すぐにでもお前の存在なんか抹殺したい所だが、俺一人で敵う筈がねぇ」



そう言いながら、淵川くんは真っ黒な何かを頭に被った。あれは……、




「カツラ!?」




そう、カツラだった。



「んだよ。悪ぃかよ。俺はあの黒白にわかれた髪が地毛なんだ。

言ったって信用されないし、染めたくないからカツラを利用してる」



「そ、そうなんだ」



あれ地毛だったんだ。すごいなぁ。どうしたらあんな風に綺麗にわかれるんだろう。



淵川くんは黒縁眼鏡をかけ、衣装を脱いだ。あ、制服だ。何で着物着てたんだろう。



制服で十分だと思うのに。



「解除」



淵川くんがそう言うと、灰色の壁がスッと消えてなくなった。