蛍火と白狐




「一番人に迷惑かけてる奴に言われたくねぇんだよ!!」



「淵川 翠くん」



言葉が淵川くんをフルネームで呼ぶ。



「誤解しないで下さい。君達の一族は一体いつの話をしているのですか?時が流れれば変わるものもあります。

僕達はもう昔のような愚かな一族ではありません。そこの所を理解していただきたい」



「どういう、ことだ」



「そのままの意味です。今ではそちら側が完全なる悪の象徴。鬼神は厄介な邪神でしかありません」



「……邪神だと?鬼神が邪神だと!?」



「固定観念を捨てて下さい。あちら側にいればわかるのでしょうが、生憎そんなわけにもいきませんし」



「つまりあちら側にいるお前らの一族は、こちら側においても善き神だと。

そして滅ぼす側の鬼神は最早邪魔者でしかないと、そう言いたいのか」



言葉は静かに頷いた。何だか話がこじれてよくわからない。