蛍火と白狐




「あ〜〜〜っ!!言葉くんいたぁっ!!」



突如、可愛い女の子の声が響いた。コトハくん?青年さんのことかな。



青年さんの顔を見ると、少々引き攣った顔をしている。



「言葉く〜〜〜ん!」



「わっ!!」



「えっ、きゃあ!!」



女の子が青年さんに後ろから抱きつき、バランスを崩した青年さんが私の方に倒れてきた。



回避する時間も術も何もない。



私はそのまま、二人分の体重を乗せて倒れた。



「えへへ、愛してるよっ。未来永劫、言葉くんだけを」



「戯れ言はいいので、今すぐ降りて下さい」



「酷いっ!戯れ言じゃないもん、真剣な愛の言葉だもんっ!…………こ、言葉、くん?その子だぁれ?」



女の子が私を発見した。嫌な予感がするのは気のせいじゃないと思う。



「まさか、私という人がありながら、愛人とこそこそ会ってたの!?

酷い、酷いわっ!こんな仕打ち酷すぎるっ!!私はこんなにも愛してるのにぃっ!

あの日の誓いはどこにいったのよ!!」



勘違いされた。そんな、私みたいな不細工、例え愛人だとしても選ばないよ。