蛍火と白狐




「淵川くんは狐の一族っていうのに固執してるけど、どうして?」



「俺の一族から代々伝承として語り継がれてきた物語がある。俺の一族というのは、偉大なる神、鬼神を祀る一族だ」



鬼神って、鬼?あれ、でも鬼って世界を滅ぼす悪い神様なんじゃ……。



「鬼神はその昔は一人の人間だった。ある日偶然あちら側に辿り着き、鬼神は目にする。

こちら側で神と呼ばれ崇められる者達の非行、愚行を。

特に狐一族!!

奴らは人を騙し、嘲り、陥れる悪者だった。人間の願いなんかちっとも叶えやしない。

それに怒った鬼神が狐一族に言ったんだ。けど狐一族は耳をかそうとしない。

それどころか鬼神を貶め、殺した。鬼神の怒りは死して尚も止まらず、鬼神はやがて蘇り、悪い神を滅ぼす神となった。

誰がどう考えたって狐一族は悪だろ」



とてもそうは思えない。確かに話を聞いた分では悪いのは狐一族。



だけど、言葉がそんな悪者だとはどうしても思えない。あちら側も平和だったし。