蛍火と白狐




「君、泉に落ちたでしょう?」



「え、はい……」



何でわかるんだろう。超能力者?そんなわけないよね。



「それで溺れてここに着き、死んだと勘違いした、と。こんな感じですか?」



「は、はい……」



「成る程。君は偶然ここに迷い込んできてしまったわけですね」



迷い込んだ……。え、ますますファンタジーに近付いていく。



というか、いつまでこの顔の距離保ってるつもりなんだろう。



ちょっと恥ずかしいんだけど……。それ以上に、こんな不細工の顔が間近で不快でしょ?



私みたいな、可愛さの欠片も持って生まれなかった人間の顔なんか見たって……。