「空ぁっ!?何で空にいんのよ!?」
ほのかが叫んだように、空中を落下していた。って、呑気に解説してる場合じゃない!
怖い怖い怖い怖いっ、絶叫系はそれなりに平気だけど、これはアトラクションじゃなくて命綱も何もない本物の落下!!
慌てて言葉に抱きつく。ゴメンね、不細工が抱きついてゴメンね、でも怖いの!許して!
「口閉じてへんと舌噛むで〜!」
女の子の忠告に、固く口を閉ざす。ついでに目も閉じた。
やがて、ストンと地面に降り立つ。何だろう、その軽やかさ。
恐る恐る目を開けると、何やら少しご機嫌そうな言葉の顔が映った。
「どしたん、言葉」
「いやぁ、足がギリギリな感じが良かったです。ふふっ」
足が……?
何のことだろう。死ぬか生きるかのギリギリな感じとか?いやいや、そんな究極のスリルやだ。
「何ですって!?ちょっと白髪っ、蛍は見世物なんかじゃないのよ!!?」
「男やね〜、ほんならウチも明日からギリギリな感じでいくわ」
「鏡華がやっても効果はマイナスになるだけですよ」
「ひっど!今のは軽く傷付いたわ鏡華ちゃん」
「ハイハイ」
「……まぁええわ。ほんなら、この廃工場ん中入って話すんで」