蛍火と白狐




「ウチの髪かてサラサラやもん、めっちゃええ香りもするで!?」



「薬品の香りなんか別にいいです」



「蛍の髪に触ること自体許せないのに、何恋人チックなことしてんのよっ!」



「恋人は丁重にお断りします」



「んなっ!?頭狂ってんじゃないの!?私だったら泣いて喜ぶわよ!!」



「それはどうかと思うで」



「そんな話よりも鏡華、まさか白雪姫のためにわざわざこっちに来たわけじゃありませんよね」



「あぁ、せやったせやった。すっかり忘れとったわ」



女の子の表情が、至って真剣なものに変わった。身に纏う空気も、さっきまでみたいにふざけてない。



「こんな所で話すのもアレや、移動すんで」



「わかりました」



言葉は頷くと、また私をひょいっと抱き上げた。



「あっ、このっ、蛍を離しなさぁい!!」



そう喚くほのかも、女の子に担がれてる。ち、力持ち……。



「行くで、しっかり掴まっとれ!!」



次の瞬間、周りの景色が一変した。さっきまで建物が見えてたのに、今いる場所は……。