蛍火と白狐




―――四限、体育





体育は体力アップの授業。学校の外をグルグル走る、体力のない私には過酷な授業。



走る順番やスピードはマイペースでいいらしいけど、それにしたって四キロメートルを走るなんて……!



「はぁっ、はっ……!」



一キロメートルも走らない内に、私はすでにダウン。ほのかはもう随分先で、豆のような姿。



「……大丈夫ですか?」



「ぅえっ?あ、こと……っ!?」



涼しそうな顔で隣を走る言葉。あれ、大分先にいたような気がするけど……。



「すでに一周してきました。あと校門まで行けば終わりです」



「……!?」



ば、化け物っ……!!



「こんなの楽勝ですね。準備運動にもなりません。良かったら体力を少し分けてあげますよ」



くれるものならほしい!私は頷いた。



「はい、では手を貸して下さい」



素直に手を出すと、言葉はその手をぎゅっと握った。ただそれだけなのに、乱れてた呼吸が楽になっていく。



あっという間に私の体力は全快した。足も痛くない。



「美味しいお弁当のお礼です。では、頑張って下さいね」



「うんっ、有り難う」



言葉はニコッと笑うと、颯爽と走り抜けていった。は、早い……。