蛍火と白狐




「お昼!お昼を食べましょうっ」



必死で訴えると、言葉はスッと離れ、ほのかは渋々といった形で離れた。



何はともあれ、とりあえずホッと息をつく。やっとご飯にありつけるよ。



鞄からお弁当を取り出そうとチャックを開いたら、弥緒がヒョコっと顔を覗かせた。



「おはよう、弥緒。これからお昼だよ。ご飯食べよう?」



弥緒にしか聞こえないようにそっと囁く。弥緒は頷き、尻尾を振って喜んだ。



「おいで、弥緒」



弥緒を出して、一緒にお弁当を食べる。



「……!予想以上に美味しいです」



私の作ったお弁当を一口食べた言葉……何かこの呼び方慣れない……は、顔を綻ばせた。



えへへ、良かった。口に合って。



「流石蛍っ。私のいいお嫁さんになれるわ」



「……え?」



今何かおかしかった。



「……無理でしょう、それ。本気で言ってるんですか?」



「やぁね、冗談じゃなかったら気色悪いわよ」



「……そうですか」