風の強い、秋のあの日に
いつも通り俺は女結と遊んでた。
風が強かったから、
お互い大声で喋っていた。
『女結ちゃーん!』
『なにー?』
女結は笑顔でこっちを向く。
その笑顔は今でも忘れられない。
『俺さぁー!』
『んー?』
言おうとした瞬間に、
風がいつも以上に強く吹き荒れた。
『……もう一回言って?』
きっと聞こえなかったんだろう、
俺はそっぽを向いて、
『…なんでもない!!』
と言って、駆けていってしまったんだ。
…あの日以来、
俺の気持ちを伝えられないまま、
チャンスを逃し続けてしまったんだ。
