(古藤さん)

江戸を舞台とした時代小説とあって、普段読みなれていない者としては読む速度がどうしても遅くなってしまいましたが。

ずばりと言って、四作品中最も好みな作風でした。

何といっても描写が素晴らしい。喩えが上手いのです。それ故に静かな闇夜に揺れる柳がとても恐ろしく、六助の恐怖が感染し、思わず首筋がぞくりとしました。

話の内容は若干謎の多い部分がありましたが、特に読むに不便なことはなく、色々と想像を膨らませつつ読むことが出来楽しめました。謎がクリアになることを望みつつ読み進めたこともあり、ほんの少し残念な部分もありましたが、そういった小説も多いですしね。
10Pと短い作品でしたが、1P、1Pに凝縮されていましたので、そこまで短くも感じず読後の満足感は大きかったです。

ともかく、自分の大好物な作品であったことは確かでした。笑

上杉さん、このような作品を薦めていただきありがとうございました。