車座(掲示板・雑談)

(上杉さん)

4作品の中では一番にホラー色が色濃く出ていました。音頭を取るように籠女の歌が文中に独立して流れますが、あれは映像の作品にすると本当に怖そうですよね。女の子のか細くて冷たい声を思わず連想しましたよ。歌に導かれるような構成にした作者さんの感覚、要するに作品の見せ方がとても良かったと思います。伝承を範に取って創作する小説は数多くあると思いますが、見せ方一つで、同じ内容でも全く違った印象を受けるものだと改めて確認する作品となりました。基の話の恐怖を増長している点で、力のあるホラー作家だと思います。『籠女』でした。


(オサさん)

この作品に関しては、かなり私の主観の強い感想になってしまいそうです。ごめんなさい。
簡潔に言えば『ホラー』というジャンルにしたくないといいましょうか。
私は、監禁されている女性が感じた“恐怖”への共感よりも、監禁した男性に対する“怒り”が上を行ってしまいました。
4作品の中でこの作品だけ、恐怖の在り方が現実的だったからかもしれませんね。
嫌な世の中です。


(古藤さん)

『籠女』
自分の読解力のなさに歯痒くなりますが、何とも掴み切れず読み終えてしまったのが実状です。
ですので、この作品のみは恥ずかしながら何度も読み直しました。ここだけの話ですが。

皆さんもおっしゃっているように、四作品の中では一番ホラーらしい怖さを含む作品だったかと思います。
携帯小説ならではの特徴を生かし、文字をずらす、行間を空ける、長文続きの後にぱっと挟む一文のみのページといった手法を用いて、読者への恐怖をさらに高めるといった書き方はさすがです。上手いなと思いました。

話としましては、どうしても尻切れトンボのような…映画の中盤のみを観てしまったような感覚に陥ってしまいました。そういった部分を逆手にとって、自分なりに想像を膨らませるとそれはそれで楽しめるのですが…やはり、もう少し話に膨らみが欲しかった気がします。

ですが、描写力は高く、合間合間に挟む歌、舞台設定が異様に不気味でとても良かったです。

ふうさん、ありがとうございました。