「一握りの距離」

 古藤著 (34頁)

*****

(オサコさん)

古藤さんの作品、古藤さんの(花井さんとはまた違う)ノスタルジックビューティーは、一貫して優しさが溢れていました。
子供の頃の事なんかも思い出したりして、二人が再会したラストでは、私の消化不良だった気持ちも清算されたような感謝に近い気持ちになりました。


(メガネさん)

非常にまっすぐといいますか、直球の作品でした。
他の作品でも言っていますが、基礎的なところがしっかりとしているので読んでいて安心できるし、心地よくなれました。

皆が少なからず持っている思いや疑問を、古藤さんならではの加工法で花咲かせた感じ。
その答えは、とても温かく胸にしみるものでした。

……って、抽象的ですね。

作者さん自身が仰ってたとおり、最後の再開はちょっと強引だったかもです。

最初に取引先と待ち合わせをしてるという設定にしておいて伏線を張っておき、最後に偶然その相手が……くらいの偶然ぶりだったら良かったのかな?
でも、そしたら子供出せないか。
うーん難しいなぁ。

そして、レビューでも書いたのですが、せっかくの素晴らしい作品ですので、タイトルをもう一工夫されてはどうかな、と。
きっと、もっと素晴らしい作品になると思うのです。


(ペンコ)

古藤さんの作品ですが、終盤への伏線は私も思いました。
やはりリアリティの追求とファンタジーのはざまで悩みますね。