(上杉さん)
カジィさんの作品を読ませて頂きました。等身大で考えるとやはり個々人で意見は分かれるでしょうが、“恋愛は唐突なもの”だというある程度普遍性も有した考え方で小説を紐解けば、恋愛のリアリティには問題ない作品だと思います。肌身で体感するほどに迫るリアリティを求めるのは難しいかもしれませんが、全体的には一般的な小説レベルのリアリティにあると思いました。
海、空、砂浜と言葉が使われ、小説の中にはパノラマの情景がありました。それらが持っている特色を(波の音など)難しくすることなく、大きくそのままに表現されていて、イメージの連想がかえって窮屈で無く、心地よい文章でした。ただ「もっと海を感じてみれば」後の描写を、ここだけは少し繊細にされていれば良かったのかもしれない。
特に支離滅裂な所も感じず、発展性もあり、小説として読みやすかったです。
情景と心情が重なる描写は美しく、なんとも言えない気持ちに浸れました。
テーマ性があっても、確定しない部分の描写が多かったので(なんとなくやきっとなど)向こうから押し売る様なインパクトは無かったですが、逆にこの折に触れて曖昧な部分こそ、若いヒロインの本質であり、インパクトと言っても、心臓の優しくて静かな鼓動といおうか、そんなインパクトだった。
不満、悩み、解放を求める衝動。小説で描かれたこの部分は独自の世界観というよりは、若い世代なら(もちろんそうでなくても)誰もが経験し得る極めて人間的な事で、小説のヒロイン自体は自分の事を「独自」だと思っているけれど、まぁ個性を持っているという点で独自ではあろうが、孤独では無い。
とにもかくにもそうした共通する所を描いているからこそ、広く受けいられる様な気はしました。
最後は自分の観賞点ですが、何より内容として先ず楽しむことができ、読後感に流れた余韻も気持ちの良いものだった。内容の伝わり方に変化球も感じたけれど、とても素敵な作品だったと思います。トマトマトさん、ご推薦ありがとうございました。
カジィさんの作品を読ませて頂きました。等身大で考えるとやはり個々人で意見は分かれるでしょうが、“恋愛は唐突なもの”だというある程度普遍性も有した考え方で小説を紐解けば、恋愛のリアリティには問題ない作品だと思います。肌身で体感するほどに迫るリアリティを求めるのは難しいかもしれませんが、全体的には一般的な小説レベルのリアリティにあると思いました。
海、空、砂浜と言葉が使われ、小説の中にはパノラマの情景がありました。それらが持っている特色を(波の音など)難しくすることなく、大きくそのままに表現されていて、イメージの連想がかえって窮屈で無く、心地よい文章でした。ただ「もっと海を感じてみれば」後の描写を、ここだけは少し繊細にされていれば良かったのかもしれない。
特に支離滅裂な所も感じず、発展性もあり、小説として読みやすかったです。
情景と心情が重なる描写は美しく、なんとも言えない気持ちに浸れました。
テーマ性があっても、確定しない部分の描写が多かったので(なんとなくやきっとなど)向こうから押し売る様なインパクトは無かったですが、逆にこの折に触れて曖昧な部分こそ、若いヒロインの本質であり、インパクトと言っても、心臓の優しくて静かな鼓動といおうか、そんなインパクトだった。
不満、悩み、解放を求める衝動。小説で描かれたこの部分は独自の世界観というよりは、若い世代なら(もちろんそうでなくても)誰もが経験し得る極めて人間的な事で、小説のヒロイン自体は自分の事を「独自」だと思っているけれど、まぁ個性を持っているという点で独自ではあろうが、孤独では無い。
とにもかくにもそうした共通する所を描いているからこそ、広く受けいられる様な気はしました。
最後は自分の観賞点ですが、何より内容として先ず楽しむことができ、読後感に流れた余韻も気持ちの良いものだった。内容の伝わり方に変化球も感じたけれど、とても素敵な作品だったと思います。トマトマトさん、ご推薦ありがとうございました。



