私は我に帰って、人が居ない事を確認しながら教室に戻った。
教室をチラッと覗くと、楼愛が入り口付近で煙草を吸っていた。
『楼愛~』
「……っ!?
誰だっ……って…琉羽!?」
楼愛の背中に抱きつきながら名前を呼ぶと、楼愛はこっちを振り向いて目を丸くした。
「あ、琉羽!」
「………やっと見つかりましたか…」
「……バカ」
空祐、遊優、涼雨にバカにされて私は楼愛の背中にしがみついていた。
私の頭をポンポン撫でてくれる楼愛の手に懐かしさが、“また”、滲む。
そんな状態を崩したのは、鬼の顔をした風生。
『………ぇへ?』
「バカが……心配かけんな…」
風生は心底心配してたかの様に言うから少し照れくさくなった。
『……ごめんね、風生、皆』
何気に真理斗は私を睨んでいたから、真理斗にも笑いかけた。
真理斗もフっと笑って私の元まで来て、頭を撫でた。
「ホント、気まぐれ猫だな」
クスリと笑う真理斗は風生をしょうがなさそうに見て居た。
「……風生、そろそろ離してやれよ」
空祐がボソッと言うと、風生はその鋭い目で空祐にガン飛ばしていた。
………
これから風生の言うことは聞こう。
うん。
私は密かに誓いながらあの男の人を思い出していた。

