『…………真里斗、真里斗』
「あ?」
「琉羽…………」
私は、風生の呼んだ様にその人を呼ぶと、風生は少し焦った様に私の腕を引っ張った。
「…………何か訳ありか…」
ボソッと真里斗は何かを呟くと、直ぐに顔を上げて笑った。
「いいよ。それで。
で、何だ、琉羽?」
真里斗は風生を制しながら私に問いかける。
『学校は何をするの?』
琉羽は少し笑ってくいくい真里斗のスーツの裾を引っ張った。
その様子に目を見張る真里斗。
真里斗は風生に問いかけた。
「化け猫?」
「人間ですよ。多分。
でも、先祖は絶対猫」
「そーだろうな。」
真里斗は琉羽をじーっと見て二カッと笑った。
「学校は勉強をするんだ。
色んな意味で」
真里斗は真っ直ぐに琉羽を見据える。
琉羽も真里斗を見据える。
「…………一緒に学べばいいさ。
こいつ等と」
真里斗はわしゃわしゃと私の赤い髪を撫でたくった。
それに目を細めて微笑んだ。

