『……私…』


「D組だ。


後で同じクラスの奴に言っておくから、話しかけられたら喋っておけ」


『……うん』


短く簡単に説明されて、なんとなく頷くと、頭を撫でて来る。


それが凄く気持ちいい。


私は目を細めながら風生の腕に擦り寄った。



「…猫……」


『ん?』


「いや、何でもねぇ」


風生は口角を少し上げてまた歩き始めた。




「ーーーおう!

風生!そいつ?お前等の姫って」


「真里斗さん…」



また新しい人の声がして、ビックリしてその人を凝視した。


「へぇー、結構可愛いな!」


「……」

風生はギロリと真里斗と呼ばれている人を睨む。


その人はへらへらしながら口を開いた。


「俺、長谷川 真里斗な。」


『…琉羽』



今日は色んな人に挨拶するなぁ、なんて暇な事を考えていると、話が終わったのか、



風生は私の目線に合わせてしゃがんだ。


「これからは、教室まで真里斗さんに連れてってもらえ。


教室でも、俺等の仲間が居るから。


すぐ迎えに行くから待ってろ」



『……うん。』



私は、少し落ちた気分が上がった。


学校ってなにするんだろう?



そんな好奇心が芽生えてきた。