「何だよめちゃくちゃ可愛いじゃねぇか」
男は、初めて見たが綺麗な顔つきをしていた。
「…まぁ、翔太と疾風が居れば…」
その人はぶつぶつと呟きながら腕を組んでいた。
「………まぁいいか!」
二カッと笑って私の顔を覗き込んだ。
私はビクッとなるが、顔はそらさなかった。
「俺は新橋 奏磨だ!ここの理事長やってるから、何かあったら言えよ!」
『…琉羽』
私は少し表情を和らげながら名乗った。
「ん、琉羽な。
で、風生、あいつ等は何処に行った?」
奏磨のあいつ等とは、多分遊優達のことだと思う。
さっきから居ないし、奏磨はキョロキョロしてるから。
「…知りませんよ」
「…はぁー…ちゃんと進級してくれよー…………」
奏磨はそう苦笑しながら言うと、風生も苦笑して一礼した。
「ありがとうございました。
疾風達の担任って確か…………」
「おう、真里斗だから安心しろ。」
「そうですか。失礼します」
最後に、奏磨は手をひらひらさせながら私達を見送っていた。

