私達の行き先は…………



《娜雅鑼男子高等学校》


風生達の通う学校でした。



『嫌ぁぁ…………』


風生は学校についても駄々こねる私を一瞥しながら、“理事長室”と書いてあるプレートがある部屋に入る。




「失礼します」


「おう!」


風生の落ち着いた声色とは違う、幼さを感じる声が聞こえて、風生にさっきとはまるで逆に抱きつく。




『ふにゃっ』



「何だ?その子?」


「はい」


ふ、風生が敬語使ってる………!


私はその事にビックリしながら、その人と顔を見せるのを避けるため、風生の胸に顔を埋めた。


「…マジ猫みてぇ」


「…で、学校通わせていいですか」


「ん?それは全然構わねぇんだけどよぉ、その子が大丈夫か?」



私は多分こっちに向けられている視線を痛い程感じた。


「ここ男所帯だし、いくらブスでも襲われるぜ?


しかも、お前等と同年代いねぇだろ?」


「翔太と疾風の組って何組ですか」


「ん?………確かD組だ。」



「じゃぁ、そこにしといてください。」


風生は勝手にどんどん話を進めて行く。


話が見えないのは多分私だけだろうな。

「ん。でも、襲われる件は?」


「…琉羽、顔見せろ。」


「…そんなにブスなのか?」


男は怪訝な顔を今頃しているだろう。


自分でも解ってるよ、酷い顔だって事くらい‼


『………にぃゃ‼』



無理矢理、風生に男の方に向かされて私は風生に抱きついてしまった。