『……風生…サン……』


「……」


さっきからだんまりの風生は、ご飯をテーブルの上に乱雑に置いた。


……オーラが物凄く怖いです。



私はビクビクしてたら、風生がこっちを振り返った。



その顔は以外に普通で、少しホッとした。



…ホッとした私はバカだったんだけど。




「琉羽、こっちおいで」


風生が私を呼んだから、風生の元に行くと、腕を引っ張られた。



その勢いで、ソファーに押し倒される。


その行動に胸がドクンと音を立てる。



「琉羽、これ以上されたくなかったら大人しく飯食え」




ー「琉羽、大人しくしてて?」ー



『あ……』


「……琉羽…?」




風生は私の様子の異変に気付いたのか、私の顔を覗き込んだ。




『やっ‼』




私は無意識に風生とあの人を重ねあわせて手を振り払ってしまった。




嫌だ。




嫌だ。





『痛いのっ……‼』



「琉羽……?」



風生は低い声を出しながら私の頬に優しく触れた。





『アレは痛いのっ‼』




私はポロポロと涙を流しながら嗚咽を漏らした。



風生は、悲しそうな顔をして「悪かった」と何度も言って来た。




抱きしめられて、私はそのうち眠りについてしまった。