「……ガキって本当嫌い」
遊優は少女に駆け寄ろうとするが、男に回し蹴りをされ避けるが、近寄れない。
「どーした?
威勢なーいよ」
低い声を高々と上げ、狂ったように笑う。
『……ゃめ…』
やっと出た少女の声に、鋭く男が少女を睨む。
「誰に向かって反論してんだよ」
少女の体はみるみるうちに震えていく。
その過剰反応に風生はギリっと拳を強く握る。
「てめぇは琉羽の何なんだよ‼」
ーーーー私は、琉羽じゃない…
少女は恐怖で何も出来ず、ただその場をみている。
「俺ー?
俺は、
あいつの飼い主かな」
ニコっと笑った男の目は、笑っていない。
彼等はフッと冷静を取り戻す。
「……これ、ダメだ」
涼雨は静かに呟く。
「殺しそう」
皆の声は同じ。

