ーーー1時間後、風生達が帰って来ると迎えていたのは倒れた楼愛。
風生達は慌てて楼愛を起こした。
……琉羽が居ない事に酷く動揺しながら。
「んぐっ……」
「楼愛!?大丈夫か!?」
空祐が楼愛に肩を貸して起き上がらせる。
「何があった」
風生の低い声が楼愛に問う。
楼愛は息絶え絶えに言葉を零した。
「……っ元に、居たとこ、ろにっ……連れてかれて……そこ……赤城組だった…」
その言葉に愕然とする遊優達。
「赤城組って、あんな危ない組…」
遊優がハッとして口をつぐむ。
「…………」
風生は無言でドアに歩きだす。
「待てよっ、風生‼」
珍しく声を荒げた涼雨に風生は目を合わせる事もせず、口を開く。
「離せ」
「お前、どうする気だよ!?」
「…………」
答えずに無理矢理振り払って出て行こうとする風生。
「お、れも行く………」
「楼愛まで…」
遊優は前髪を掻きあげて顔を歪めた。
「何の作戦も無しで行くのは危なすぎる」
「んなの、要らねぇ」
風生は低く呟いて部屋を出て行く。
楼愛も立ち上がり、出て行く。
「楼愛……「俺は、勝つ事より、琉羽だ」
三人も目を合わせて溜め息を吐きながら、ニヤリと笑う。
「行くしかねぇな」
5人はバイクに乗って世間によく知られた赤城組の屋敷へ向かった。

