客観side
「琉羽返せっ‼」
楼愛の低い怒鳴り声が男達を威嚇する。
「どうする?
こいつは連れて来いとは言われなかったよな」
「あぁ、気絶させて放っておけ」
「琉羽返せ‼」
男達は楼愛を冷たく見る。
「五月蝿いイヌだ」
「てか、俺こいつ見た事あんぜ」
男の一人が楼愛に顔をグイッと近付けてまじまじと見る。
「ーーーあ、こいつ、あん時の餓鬼だ!」
男の言葉にフッと無表情になる楼愛。
「あ?
琉羽手に入れるために殺った抗争の…」
「あぁ、確か“楼愛”。」
「お前等が俺達を……?」
呟く様な小さな声を聞いてニヤリと男達は笑う。
「あの抗争は可哀想だったねぇ。
親は殺され妹は拐われ?
まぁ、俺たちの狙いどうりにいって助かったゎ」
楼愛の目に怒りが浮かぶ。
琉羽に感じた時々の懐かしさ。
それは、お前がーーーーーー
ドンッ
「ぅぐっ………」
「少し眠っててくれ」
1人の男が少し声を小さくして呟く様に楼愛に言った。
その声を最後に、楼愛の意識は途切れた。

