ガシャ‼
玄関の方から大きな音が聞こえてくる。
「何だ?」
楼愛は不思議そうに眉を潜めながら玄関に向かう。
ダメだ。
ドタドタ
壊れる
バタンっ
崩れる
「こんな所にいやがった。
ほら、帰ろう。
琉羽」
私ハ本当ハ、ソンナ名前ジャナイ。
「琉羽?」
出て来たいかつい男の集まりに眉を寄せる楼愛は、私を見る。
「帰るぞ、琉羽」
震え出す体。
吐き気がしだす体。
風生、遊優、楼愛、空祐、涼雨
サヨナラだね。
私は無理矢理立たされて連れていかれる。
「琉羽っ‼」
楼愛が必死に私の名を呼んでくれる。
でも、
違うよ。
私は、外に停めてあったスモークのかかった車に乗らされた。

